「いのちを与えて下さる主」 マタイの福音書9章 18 節~ 26 節 お祈り 恵み深い天の父なる神様。今週も私たちの歩みを守りこの礼拝へと招いて下さりありがとうございます。この一時、共に主に目を向けながら、やわらかな心でイエス様によるいのちの言葉を味わう時間としてください。主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン。 導入 本日の聖書箇所には長血の女、会堂司の娘、会堂司、笛を吹く者たちと大きく分けて 4 人の登場人物が出てきます。今日は彼らを通して人々にいのちを与えて下さるイエス様の姿を共に見ていきましょう。また、このお話しはマタイの福音書だけでなく、マルコの福音書、ルカの福音書にも記されている出来事です。三つの福音書が大切にしたイエス様の物語です。本日はマタイの福音書を基本としつつ、必要に応じて他の福音書からも見ていきたいと思います。 長血の女について 最初に長血の女について見ていきましょう。 20 節を見ると彼女は 12 年間、長血という病気でした。この長血がどの様な病だったのか詳しくは分かっていません。どうやら何らかの理由で出血が止まらなくなる病気だったようです。ルカの福音書によれば、彼女は全財産を医者たちに使いましたが、それでも病は治りませんでした。(ルカ 8 章 43 節)また、レビ記( 15 章)で定められているように、当時のユダヤ社会では「漏出物」つまり、体から血液や体液を流す人は汚れているとされました。ですから、長血の女もその教えに従ってユダヤ社会において汚れた者と見なされていました。彼女は人との交わりも、礼拝への出席も出来ませんでした。なぜなら、当時は汚れている人が触った物は全て同じように汚れるとされたからです。このように彼女は肉体の病だけでなく社会からも遠ざけられ苦しんだ人でした。肉体のいのちはありましたが、社会的には死んだ状態だったのです。 その彼女が 20 節「イエスのうしろから近づいて、その衣の房に触れ」ました。人から遠ざけられていた彼女は誰にも気づかれないように、後ろからこっそりとイエス様の衣の房に触れたのです。この房はユダヤ人の着物の裾の四隅にある紐の飾りのことです。これは神の律法を見える形で表現したものです。歩くとその房が身体にまとわりつくことから、人々は歩くたびにいつも
毎週の主日礼拝メッセージをこちらに掲載します。音源もありますので、ぜひご利用ください。