90:10 私たちの齢は七十年。健やかであっても八十年。そのほとんどは労苦とわざわいです。瞬く間に時は過ぎ私たちは飛び去ります。 最新の日本人の平均寿命は、男性 81.47 年、女性 87.57 年だそうです。そして、世界全体の平均寿命は、男性が 70. 8歳、女性が 75. 9歳。日本はそれぞれ10歳以上、世界全体の平均寿命を引き離していることから、世界一の長寿国といわれるのも納得です。けれども、寿命が延びることを私たちは両手放しで喜ぶことは、正直できません。心配要素がたくさんあるからです。何よりも健康のことが心配です。また長生きする分、経済的な余裕があるかどうかも問題です。また社会的な問題もあるでしょう。最近は高齢者の三分の一は独居だそうです。独居が悪いわけではありません。家族やお友だちとの関係を楽しみながら、一人暮らしを謳歌しておられる方もたくさんおられます。ただ最近よく聞かれる「無縁社会」、「孤独死」ということがば表しているように、孤独の中で生活し、最後、誰にも気づかれずにこの世を去り、何日も、何カ月も経ってから発見されるという痛ましい現状もあるのです。 このように、この詩人の時代に比べると、私たち日本人の寿命は延びました。けれども後半の「そのほとんどは労苦とわざわいです」というのは、私たちの時代にも当てはまるでしょう。それを思うと、人生に区切りがあるというのは、実は神さまのあわれみなのかもしれません。労苦と災い。大きなところでは、天災、貧困、差別、戦争。個人的には病や孤独など。これらは時代が変わっても変わらないことです。例えば旧約聖書に出て来るヤコブは、晩年エジプトの王ファラオに、「あなたの生きてきた年月は、どれほどになりますか。」と尋ねられた時にこう答えています。「私がたどってきた年月は百三十年です。私の生きてきた年月はわずかで、いろいろなわざわいがあり、私の先祖がたどった日々、生きた年月には及びません。」また、ルツの姑のナオミはどう告白しているでしょうか。「私をナオミと呼ばないで、マラと呼んでください。全能者が私を大きな苦しみにあわせたのですから。私は出て行くときは満ち足りていましたが、【主】は私を素手で帰されました。どうして私をナオミと呼ぶのですか。【主】が私を卑しくし、全能者が私を辛い目にあわせられたというのに。」ナオミは「喜び /
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