「イエスが来られる前に」 使徒の働き13:24~25 【はじめに】 皆さんは、お芝居や映画、ドラマは好きでしょうか。これらを見ていると、主役に次いで重要な役割を果たしているのは、「脇役」です。「脇役」は「傍役」とも表記するようで、日本ではバイプレイヤー (by-player) という言い方もします。名脇役は、作品全体の質を高め、観客や視聴者に強い印象を与えます。けれども決して主役を差し置いて主導権を握ることなく、主役を際立たせることに徹してこそ、名役者と言えるでしょう。さて、今日の聖書箇所に出てくるヨハネ(通称バプテスマのヨハネ)は、まさに名脇役でした。では主役はどなたでしょうか。もちろんイエスさまです。彼は主役であるイエス・キリストの栄光を輝かせるために、どこまでも脇役に徹する人生を歩んだのでした。 1.預言者ヨハネ ヨハネは出生の時から脇役としての使命を負って生まれてきました。両親は、ザカリヤとエリサベツで、二人とも由緒正しい祭司の家系でした。当時祭司は世襲制でしたが、エリサベツは不妊で跡継ぎがいないまま、すでに年を取っていました。ところがある日、ザカリヤが神殿で祭儀を行っているときに御使いが現れ、妻エリサベツは子を生むと告げられるのです。しかもその子は、来たるべき救い主(メシヤ)の先駆けとして、イスラエルの民にメシヤを迎える準備をさせるのだと言うのです。名前まで決められました。「ヨハネ」とつけなさい、と。「ヨハネ」の意味は、「主は慈しみ深い」ですが、まあ、どこにでもあるような平凡な名前です。新約聖書中でも私が知っているだけで 5 人もいます。英語ではジョンですが、例えばニューヨークで無作為に石を投げれば、ジョンさんにあたると言ってもいいほどありふれた名前です。しかし負っている使命がすごかった。彼は、 450 年ぶりの預言者にして、最後の預言者だったのです。(イスラム教では、ヨハネを預言者と認めず、ムハンマドが最後の預言者)しかも彼の誕生は旧約聖書で預言されていました。旧約聖書には数多くの預言者が出てきますが、何百年も前から預言されて生まれて来た預言者はいません。イザヤ書 40 章 3 節にはこうあります。 「荒野で叫ぶ者の声がする。『主の道を用意せよ。荒れ地で私たちの神のために、大路をまっすぐにせよ。』」 この預言の成就として、
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