「エサウとヤコブ」(創世記25章) 25:1 アブラハムは、再び妻を迎えた。その名はケトラといった。 24章では、イサクの結婚にまつわるストーリーを読みました。イサクの母であり、アブラハムの妻であるサラは、息子の結婚を見ることなく天に召され、マクペラの墓に葬られました。その後、アブラハムは、ケトラという女性と結婚し、子どもを6人産んだ…と、私たちは理解しますが、事はそう単純ではなさそうです。5-6節を見ると、 「アブラハムは自分の全財産をイサクに与えた。しかし、側女たちの子には贈り物を与え、自分が生きている間に、彼らを東の方、東方の国に行かせて、自分の子イサクから遠ざけた。」 とあります。ケトラは、いわゆるアブラハムの「後妻」ではなく、一人の「側女(そばめ)」だったようです。そして、アブラハムの年齢や「側女」という呼び方からも、ひょっとしたらアブラハムは、サラ存命中に側女としてケトラをそばに置いた可能性があるのです。ちょっとがっかりですが、アブラハムも時代の子ということでしょう。そしてアブラハムは、存命中に、彼の全財産を正統的な継承者イサクに引き継ぎ(生前相続)、ケトラの子たちは、贈り物を与えた上で、遠く東の国に行かせたのです。不要な争いが起きないようにとの策でした。 同じように、女奴隷ハガルの子どもイシュマエルも、すでにイサクから遠ざけられています。主の約束通り、イシュマエルも多くの子どもに恵まれ、かの地において勢力を伸ばしていました。16節には 「これがイシュマエルの子孫である。これらは、集落と宿営ごとにつけられた彼らの名で、12人の、それぞれの氏族の長である」 とあります。これもまた、見事なまでの約束の成就でした。17章20節にはこうあります 。「イシュマエルについては、あなたの言うことを聞き入れた。必ず、わたしは彼を祝福し、子孫に富ませ、大いに増やす。彼は十二人の族長たちを生む。わたしは彼を大いなる国民とする。」 神さまがご自身のご真実にかけて約束を守られる方であることがわかります。そして、9節を見ると、アブラハムの葬りの時には、イシュマエルが父の訃報を聞いて帰ってきました。日本では、「親の死が子どもたちを集める」と言いますが、こうして、一時は後継者として育てられたイシュマエルとイサクの手によって、アブラハムは葬られたのです。余談ですが、やはりこの埋...
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